頑張らない

過去の記事を読んで

自分の書いた昔の記事を見ていると、当時すごく必死だったんだな、というのが分かる。あとちょっと文章が傲慢に見える。

当時の自分は、まったくそう思っていなかったし、今も自分が偉いとは1ミリも思っていないのだけど、若い人って「なぜか傲慢に見えてしまう」ことが多いのが、すごく勿体ないと思う。肩に力が入りすぎなんちゃうかなあ。


成り行きに任せる

年商1,000万円見込くらいの規模になって分かってきたんだけど、何でも肩に力が入りすぎていると上手く行かない。


まず、そもそも商品の売行きを決めるファクターは、タイミングと予算の有無だ。これぶっちゃけ運。

例えばいま自分が扱っている商材に、「法人向けのネットワーク構築」がある。過去に導入が決まったパターンを振り返ると、他社の製品見積りを取る→高いので見送り→たまたまぼくがそこに行ってもっと安くて良い提案をする→採用というパターンだった。飲食店でもコワーキングスペースでもそう。

この「たまたま」を狙うためには、情報が大事。この情報が湧いてくるのは既存顧客と既存コミュニティ。新規参入者の僕らに新規営業をする時間の余裕など存在しない。人の紹介も既存顧客づてだ。自分で新規営業を頑張りすぎない緩さが必要だ。既存顧客のアフターフォローは大事。新規獲得はゆっくりでいい。

ともかくタイミングと予算は自分の一存ではどうにもならない。網を張って待つのだ。


脱力と言う文脈で行くと、世の中大多数のサラリーマンは、僕たちほど「意識が高く」ない。提示するソリューションはその人たちが「定時で帰れる」or「個人的に嬉しい」話ならすごくいい。もしくは「昇進する」とかね。

ぼくも飲食店でバイトをしていた頃に思ったけど、みんなぶっちゃけ「仕事を秒で終わらせて、早く帰りたい」でしょ。社員なら「昇進して彼女に自慢したい」とかね。経営者レベルなら「自分の会社を1番に」したい。

人間、誰しも自分のことは緊急で重要。当事者にとって必要かつ緊急、痛みも生じている瞬間に、それを解決できるソリューションを提案できるのが、営業の要だ。

お客さんが「今年の予算使い切らないと、来年の予算が縮小されちゃうよ。頭がいたいよ、イテテ」「この仕事、自動化したら定時で帰れるのに。残業で胃がいたいよー、イテテテ」ってなっている瞬間に、「これ使ったら定時で帰れますよ!!!」って言えるやつが契約を取る。

広告とは本来、その瞬間にリーチする確率を高めるためにするものだ。


原価も高くする必要はない。もちろん飲食業みたいに原価の高さがお客さんの満足に直結するみたいな業界もある。少なくともITはそうじゃない。エンジニア上がりの社長にありがちなミスだけど、お客さんの痛みを解決する技術は難しくない。お客さんは「インターネットにつながらない」とか「ギガが遅い」とか、こいつの周りだけ弥生時代なんか?みたいなレベルで躓いてる。

現にぼくが今しているネットワーク事業も、業務用のルータでフレッツ網にIPoE接続して、DHCP設定して、ポート開けて簡単なセキュリティの設定をしているだけ。普段BGPガー、L2L3ガーって話しているネットワークエンジニアから見れば、初歩の初歩よ。


だから新規営業に力を割く必要はない。経営者ならそんなしょーもない仕事を獲得するところに全力使ってないで、普段はサービス品質向上と資金調達に時間を割き、ついでに仕事に対応する緩さが必要だ。その方がみんな幸せになれる。

まやかしの製品力しかない商品は営業すれば一時は売れるかもしれない。けど長期的に売れ続けることはない。そんなどうでもいいことより、商品品質を良くして競争力強化に力を割いたほうがいいと思う。


それから最後に、学生の本分は大学のことであって、仕事は出来る範囲で良いというのが免罪符だ。契約はちゃんと守ってほしいけど。必要以上に頑張っても結果が上がるわけじゃない。大学のついでに働く心構えがいい。

僕が寄り道体質なのもあるけど、その道一本で全力フル稼働ってのは、多分向いてない。社長になると人に時間を奪われるのだけど、アポは週3くらいに押し込みたい。残り4日は自分の仕事をする。

投稿日:
カテゴリー: 経営

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です