ITは万能でない
人はITという鎚を持つとすべてが釘に見えてしまうようだ。正確にはITの持つ魔力が強力すぎて、すべてを解決できるような気分になるんだが。気持ちは分かる。
しかし、ITはすべての問題を必ずしも解決しない。
創業の第一法則「まだプログラミングをするな」
技術者ってかっこいいよな。わかる。わかるぞ。ゲームって面白いし、自分でも作りたくなるよな
残念だが、ITというものは、ITを使わなくても上手く行っているシステムを効率化するものだ。ITが無ければ上手く行かないビジネスは、そもそもビジネスとして成り立っていない。
創業時にやることは、システム効率化じゃない。まずこれ良さそう、行けるんじゃねって思ったタイミングでお客さんを捕まえるのだ。ビジネスにおいて重要なことは客がいるか?客がいるか?客がいるか?以上だ。(アーカイブ1、アーカイブ2)
それ以外のことはどうでもいい。
第二法則「まだプログラミングをするな」
客を捕まえたら次にすることは、まあ勢いでプロダクトを作っても構わない。ただ、ある程度売上が上がってきたら考えてほしいことがある。それは「このプログラム作ったらお客さん喜んでくれる?」だ。
「店は客のためにあり。店員とともに栄え、店主とともに潰れる」である。お客さんがお金を払うことで誰も喜ばない仕事というのは、仕事として成り立っていない。
さらに重要なことは、自らの能力の境界をはっきり知ることだ。プログラミングを極めるとは「プログラムで何が出来て、何が出来ないのか、その境目が解像度高くわかる」ということだ。そのプログラミングそのものの能力の境界線内において、得意分野が来たときだけにバットを振ればいい。
いくら見逃しても必ず次のボールはある。ヒットか、ホームランが狙えそうな球だけ拾っても構わない。最初の頃はとりあえずバットを振ってみること最優先だが、なんとなく世間で言うところの「プロ」となったら、それも心掛けてみるのがいいと思う。
とにかく、プログラミングを書く瞬間は、最後の最後でしかない。プログラムは作業を効率化する方法でしかないので、先に「最適化すべき既存の業務システム」がないとどうしようもない。
その意味で、おれたちはまだプログラミングをすべきでない。