夜の世界に触れて思うこと

虚飾と建前の世界

最近機会があり、夜の世界の表側と裏側を両方とも見せてもらう機会を頂いた。勉強料で20万円くらい支払ったが、知見も得たので、ここに書いておきたい。

誤解を恐れずに本音を言えば、あの業界は人間のクソみたいな部分を煮詰めて煎じたような場所だと思っている。とくに価格の高い店ほどその傾向が強い。

価格が高ければ高いほど、店内装飾が華美になり、設備の新しさと女の子の持ち物が高価に見えるようになる。中身はぶっちゃけ地方の安い店と変わらないと思う。むしろ安い店の方がいい子が多いとまで思う。

夜の世界にいる女の子の話す言葉は9割方嘘で、いわばキラキラした世界を演じているのだと思う。あれは夢を見るために作られた集金装置ではないか。

ぼくはたまたまオンラインゲーム業界で多く人を観察する立場にあったので、その観点から言わせてもらうと、夜の業界の人間層はオンラインゲームの客層よりも平均値的に人間の負の側面が強く出ると思っている。


ぼくたちみたいなエンジニアタイプの経営者はどちらかと言えば、実利と本音を重視するので、実はこのようなサービスを「楽しくて」使っているのではないと直感した。このような夜のお店の実効例としては

・(千疋屋の果物のように)店のサービスが高いということが知られており、「私にこんなにお金を使ってくれるんだ」と思った相手が勝手に気分を良くしてくれる
・話しづらい人間と、円滑にコミュニケーションを取る共通の経験ができる
・取引先や女の子に対して見栄を張ることで、こちらが接待せずとも相手が一人で喜んでくれる
・(ソロプレイの場合)年下の女の子と恋人感覚で話ができて楽しいと思って帰れる

などの例があると思う。とくに金額が高いほど、常識ある高年齢層を意識したサービスが多くなっている実感を受ける。

そんな場所に若いペーペーが突っ込んでいくと、嬢と話が合わないという稀有な経験ができる(普段からこの年代の男性向けの話が用意されていないのだと思う)。


グレードによる違い

具体的に僕の経験を話そう。まず、地方のデリヘル。身内の取引で、それほど高くない金額でサービスを使わせてもらった。メインのサービス的は「まあこんなもんか」と思う程度で、それよりも容姿や人間関係についてアドバイスをもらったのがとても良かった。ぼくから見て、価格に対する効果が一番高かった支出だと思う。

嬢については、嘘の度合いも比較的マイルドで本音ベースの話が多く、プライベートで嬢のカネの使い方が終わってて、稼いだ金額をそのまま全部飲み代に溶かしていたのを見たこと以外は、中身も普通の子が働いているのだと思った。


次に地方のガールズバー。これは人生経験の一環だと思い、自分のカネで行った。既に酔った(ワイン換算で15杯くらいは入ってた)状態で2人で行き、接客の様子を観察した。20代の子、30代の子、40代の子と3人に接客してもらい、ここで自分の物差しを作った。やはり地方ほどサービスが良い傾向にあると思った。これ以上飲めない状態の客に対する接客が良く、勉強になることも多かったため、費用対効果は高かったと思う。

ちなみに僕は酒を飲んでも記憶が飛ばないし、むしろ一言一句鮮明に覚えていることが多い。この飲み方をするためには、3つのコツがあって「相手より多く食べる」「水をたくさん飲む」「酒の席で商談が決まるかもしれないと知る」ことだ。修羅場飲み会も何回か経験したので、この辺も機会があればそのうち詳しく書きたい。


そして大都会すすきのの、ソフトキャバクラ。これは一緒に行った人が楽しんでいたので、僕は素面だったけど、それで良いことにした。中身のある話は1ミリもなかった。価格対効果は微妙

お金を払って年上の相手の話をずっと聞く、不思議な経験ではあった。こちらから、どうしてお店で働いているの?と聞くと、N人兄妹の養育費ガーとか、資格取得ガーと、あまりにミラクルストーリーが展開されるので、不思議なこと言ってると思った。途中から話の矛盾点を探すのが楽しくなってしまい、話は真剣に聞いていなかった。女性の方には申し訳ない。


最後に、同じくすすきのの、ニュークラブ。ニュークラブとは、女の子が横で酒を飲んでお話してくれる高級サービスだ(3人で普通に飲んで13万円くらいの会計だった)。費用対効果はわからない

ぼくは中学、高校と男社会で生きてきたので、繊細な「女の子」の気持ちは全く分からない。なので、彼女らの地雷を踏んでしまったのか、ぼくはサービス時間中かなりの時間説教されていた。お金を払って説教されるとは中々斬新な経験だ。

たしか「どんな女の子がタイプなの?」って聞かれ、「ちゃんと毎食食べさせてくれる人なら、とくにそれ以上求めません」(これはエンジニアに多いタイプの返答)と答えたところ、

・「それって誰でもいいってことだよね」
・「付き合った女の子嬉しいのかな」

…みたいな話を延々とされていた記憶がある。単にエンジニアタイプの人間がそういうお店へ普段行かないのか、それとも嬢の機嫌が悪かったのかは知らない。たぶん作法的なところは破っていないはずだ。

ニュークラブではあと1人、同世代の子が僕の隣に座ったのだけれど、このとき僕は接待には飽きて、事業の情報収集をしていた。最近来る客層や増えてきた業種について情報を集めた。最近は北海道競馬の関係で、馬関係の人が多いのと、ネット銀行関連の人が印象的だったらしい(今思い返すと楽天銀行のIPOで一儲けした人か?)。この子もまたエステサロン開業のミラクルストーリーを展開していたので、話の大部分は覚えていない。

情報料としてはちょっと高かったが、取引先の人が嬉しそうに帰って行ったのと、人が集まるところでしか得られない情報も知ることができてよかった。でも正直、費用が高すぎる。このタイプのお店には、次に行くなら、少なくとも1,000万円以上のリターンが無いなら行く理由がないと感じてしまった(そういう経験ができたことに対しては価値があったと思っている)。


最後らへんの、すすきのの高い店を一通り回って思ったことは、「夜の世界とはフィクションの世界であって(女の子に関して)真実性のある情報など欠片ほどしか存在しない」ということだった。高級店ほど、情報の正確さや実益(長い目で見れば実益かもしれない)にお金を払っているわけではなく、ノリと勢い、人が集まっていること、そしてキラキラな見た目と、成熟した雰囲気に対してお金を払う特殊な業界だと感じた。

あとぼくたちみたいなタイプのお客さんはよっぽど珍しいらしく、すすきのの街では大変困惑されることが多い様子だ。見た目と年齢で人を評価するのはやめないか。

どうせお金を払うなら、おめかしした女の子よりも、大してメイクしてないけど尊敬できる人の話が聞きたいとぼくは思った。

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カテゴリー: 経営

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